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新入社員が仕事中にケガをしたら? 労災補償の流れをわかりやすく解説

新入社員の業務中災害に対する労災対応をわかりやすく示したイラスト。治療費、休業補償、監督署への報告、年休なしでも対応できる点を紹介。

新入社員が仕事中にケガをしたら、まず何を確認するのか

 

  • 新入社員が入社して間もない時期に、慣れない作業や不注意でケガをすることは珍しくありません。
  • このとき事業主がまず確認すべきなのは、そのケガが「業務上の災害」に当たるかどうかです。
  • 労災保険は、業務上の事由または通勤による負傷・疾病等に対して給付を行う制度です。原則として、労働者を使用する事業に適用されます。 

新入社員でも労災の対象になるのか

 

  • 対象になります。
  • 「入社したばかりだから対象外」ということはありません。
  • 正社員、パート、アルバイトなど名称だけで判断するのではなく、労働者として使用されているか、そして業務または通勤が原因かで判断します。

年次有給休暇がない場合はどうなるのか

 

  • 入社直後は、まだ年次有給休暇が付与されていないことが通常です。
  • しかし、年次有給休暇がないことと、労災補償が受けられるかどうかは別問題です。
  • 業務上のケガで休業する場合は、年休の有無ではなく、労災保険給付または使用者の休業補償で考えます。 

治療費は誰が負担するのか

 

  • 業務中のケガで労災に当たる場合、療養補償給付の対象になります。
  • 労災保険指定医療機関を受診した場合は、所定の請求書を提出することで、原則として窓口で治療費を支払わずに療養を受ける流れです。
  • 一方、指定医療機関でない場合は、いったん立替払いをしたうえで、後から請求する取扱いになります。 

休んだ日の給付はどうなるのか

 

  • 業務上のケガで働けず、賃金が支払われない場合は、休業補償が問題になります。
  • 実務上の基本は次のとおりです。
    • 休業4日未満
      → 労災保険ではなく、使用者が休業補償を行う場面があります。
    • 休業4日目以降
      → 労災保険から休業(補償)等給付が行われます。
  • 厚生労働省は、休業(補償)等給付について、給付基礎日額の60%を基礎とする仕組みを案内しています。さらに休業特別支給金が上乗せされる取扱いがあります。

新入社員は賃金が低い・勤続が短いが、それでも請求できるのか

 

  • 請求できます。
  • 新入社員であっても、業務上のケガで休業したなら、労災保険の請求対象になり得ます。
  • ただし、実際の給付額は、賃金額や給付基礎日額の考え方に基づいて決まるため、個別計算が必要です。
  • とくに、入社直後で賃金締切や支払実績が少ないケースは、会社側での整理が不十分だと、後の説明や請求で混乱しやすくなります。 

会社が最初にやるべきこと

 

  • 新入社員が業務中にケガをしたときは、次の順で動くと整理しやすいです。
  • 1. まず受診させる
    • 症状が重い場合は救急対応を優先します。
  • 2. 仕事中のケガかを確認する
    • いつ、どこで、何をしていて、どう負傷したかを整理します。
  • 3. 健康保険ではなく労災対応を検討する
    • 業務災害なら、原則として健康保険ではなく労災保険で扱います。
  • 4. 休業の有無を確認する
    • 仕事を休む日数によって、会社補償か労災給付かの整理が必要です。
  • 5. 監督署への届出・請求を進める
    • 労災保険の請求書や、必要に応じた報告書の提出を行います。

労働者死傷病報告にも注意

 

  • 労災事故が発生した場合、保険給付の請求とは別に、労働者死傷病報告が必要になることがあります。
  • しかも、2025/01/01 (令和7年1月1日施行)ら、労働者死傷病報告は電子申請が義務化されています。
  • 事故が起きたあとに慌てないためにも、事前に
    • 誰が
    • どの資料を
    • どの方法で提出するのか
      を社内で決めておくことが重要です。

請求期限にも注意

 

  • 労災保険は、いつでも請求できるわけではありません。
  • 厚生労働省のQ&Aでは、
    • 療養(補償)等給付:費用を支出した日の翌日から2年
    • 休業(補償)等給付:賃金を受けない日の翌日から2年
      と案内されています。
  • 「そのうちやろう」で放置すると、請求漏れのリスクがあります。

事業主が誤解しやすいポイント

 

  • 年休がないから補償できない
    → 誤りです。年休の有無と労災補償は別です。
  • 入社したばかりだから労災にならない
    → 誤りです。新入社員でも業務災害なら対象です。
  • とりあえず健康保険証で受診させればよい
    → 業務災害では労災対応が原則です。後から訂正が必要になることがあります。
  • 会社が治療費も休業補償も全部自由に決めればよい
    → 給付や補償には制度上のルールがあります。判断を誤ると、後でトラブルになりやすいです。 

まとめ

 

  • 新入社員が業務中にケガをした場合でも、労災補償の対象になる可能性があります
  • 重要なのは、
    • 年次有給休暇があるかどうかではなく、業務災害かどうか
    • 休業日数によって、会社補償か労災給付かが変わること
    • 治療費・休業・届出を分けて整理すること
      です。
  • 労災対応は、初動を誤ると、社員対応・監督署対応・書類整備のすべてに影響します。
  • とくに、入社直後の社員は賃金資料や勤務実態の整理が不十分なことが多く、実務判断が難しくなりやすいため、早い段階で専門家に相談することが重要です。 

FAQ(Q→A)

Q1. 新入社員でも労災保険は使えますか?

  • はい。業務上のケガであれば対象になる可能性があります。 入社直後かどうかは、対象外の理由になりません。

Q2. 有給休暇がまだない場合はどうなりますか?

  • 年次有給休暇がないことと、労災補償は別問題です。 休業補償や労災保険給付で検討します。

Q3. 休んだ日の給料は会社が払うのですか?

  • 休業日数によって整理が必要です。休業4日未満は使用者の休業補償、4日目以降は労災保険の休業(補償)等給付が問題になります。

Q4. 病院では健康保険証を使えばいいですか?

  • 業務中のケガであれば、原則として労災対応です。労災保険指定医療機関では所定の請求書により対応します。

Q5. 労働基準監督署への報告も必要ですか?

 

  • 事故の内容によっては、労働者死傷病報告が必要です。現在は電子申請義務化に注意が必要です。 

事業主向けチェックリスト

 

  • □ いつ・どこで・何をしていて負傷したか整理した
  • □ 医療機関の受診を優先した
  • □ 業務災害か通勤災害かを確認した
  • □ 健康保険ではなく労災対応の要否を確認した
  • □ 休業日数を確認した
  • □ 賃金資料を整理した
  • □ 労災請求書の準備を始めた
  • □ 労働者死傷病報告の要否を確認した
  • □ 電子申請の準備体制を確認した 

  • 新入社員の労災対応は、「治療費」「休業補償」「監督署への報告」が別々に動くため、思った以上に判断が複雑です。
  • 年休がない社員の休業対応、労災請求書の整理、労働者死傷病報告の要否確認まで、実務で迷う場合は早めの確認をおすすめします。
  • 当事務所では、事業主の状況を整理しながら、必要な対応の順番をわかりやすくご案内しています。

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