5年ルールの正しい理解と就業規則で気をつけるポイント
「無期転換」と聞くと、
「契約社員 → 正社員にしなければならない」と思っている会社が、実はまだ少なくありません。
しかし、これは法律上の誤解です。
1.無期転換とは「正社員化」ではありません
有期労働契約が 通算5年 を超えると、
労働者は会社に対して、
「無期契約にしてください」
と申し込む権利(無期転換申込権)を取得します。
(労働契約法18条)
このとき会社は申込みを断れません。
つまり「無期契約」には必ず応じます。
しかし…
| 変わる部分 | 変わらない部分 |
| 契約期間 → 無制限(期間の定めなし) | 給与・賞与・手当・労働条件・役割は元のまま |
✅ 無期転換
→「契約期間だけ」変わる制度
❌ 正社員化
→「待遇・人事制度」も変えること
この2つは別物です。
2.「格差」が残るときの注意点
無期転換しても待遇が違うこと自体は可能です。
しかし、次の法律がチェックします👇
| 法律名 | 内容 |
| パート・有期法8条 | 不合理な格差は禁止 |
| パート・有期法9条 | 「有期だから」という理由の差別は禁止 |
つまり
働き方や責任が同じなのに
「有期だから・契約社員だから」という理由だけで賞与ゼロ
→ 違法となる場合があります。
過去の裁判でも、
無期転換後の格差でも賠償命令が出た例があり、
「無期にしたからセーフ」ではありません。
3.就業規則を変えるときの落とし穴
就業規則で「無期転換後は正社員とします」と定めていた会社が、途中から
「無期転換後は“無期契約社員”とします」に変更したい場合、次の線引きが必要です👇
| 状況 | 結果 |
| まだ5年未満(権利未発生) | → 新ルール適用OK |
| すでに5年超えで権利あり(申込権発生済) | → 旧ルール(正社員化)を守る必要あり |
理由:
すでに発生している権利は 後から奪えない
(労働契約法7条・9条・10条)
4.まとめ(ここだけ押さえればOK)
| ポイント | 解説 |
| 無期転換 ≠ 正社員化 | 正社員化は義務ではない |
| 格差は要チェック | 不合理な格差は違法 |
| 就業規則変更は慎重に | 権利発生“前後”で扱いが違う |
| 元が違法なら無期後も違法 | 放置は危険 |
5.経営者向けひとことアドバイス
無期転換制度は「契約期間」だけの問題。
しかし待遇差は「パート・有期法」で見られます。
就業規則の整備と無期契約社員の位置づけ(処遇区分)を明文化しておくことが重要です。
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