
「人手不足で困っている」「賃上げはしたいが、コストが不安」——そう感じている中小企業の経営者の方は少なくないでしょう。
令和7年度から厚生労働省が新たに導入する「賃上げ支援助成金パッケージ」は、そうした経営者の背中を後押しするための心強い制度です。
さらに、短時間や単発で働く「スポットワーク労働者」への法的対応も本格的に動き出します。
今回は、経営者として押さえておきたい最新の助成金情報と労基対策のポイントを、わかりやすく解説します。
■ 賃上げに取り組む企業へ、最大360万円の支援がスタート!
厚生労働省は令和7年度、企業の賃上げを促すため、8つの助成金をひとつのパッケージとして整理した「賃上げ支援助成金パック」を打ち出しました。
このパックでは、以下のような取り組みを行う中小企業に対し、賃上げ率に応じた加算支給を行うなど、支援の強化がなされます。
賃上げ支援助成金パッケージの主な支援内容
支援分野 | 内容 | 特徴 |
①生産性向上支援 | 設備導入・外部コンサルの活用 | 賃上げ7%以上で最大360万円の支給 |
②格差是正支援 | 非正規社員の昇給制度や正社員化の推進 | 1人あたり最大7万円、昇給制度の新設で+20万円 |
③処遇改善支援 | 賃金規定の改定、有期社員の昇給制度 | 賃上げ率に応じた柔軟な加算制度が拡充 |
たとえば、働き方改革推進支援助成金では、労働時間削減と併せて賃上げを7%以上行うと最大360万円の加算が受けられます(前年は5%以上で最大240万円)。
■ スポットワーク労働者への対応も強化へ
新たな運営方針では、**短時間・単発の副業等で働く“スポットワーク労働者”**についても、労働基準法の適用が強化されると明記されました。
以下のようなケースが、法令違反として指導対象となる可能性があります。
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所定外労働(残業)に対して賃金を支払っていない
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法定の割増賃金(深夜・休日など)を支給していない
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副業者が「通算労働時間を超えた」と自己申告しても無視している
副業やスポットワークは今後ますます増えると見られ、「自社は短時間勤務しかないから関係ない」では済まされない時代です。
【まとめ】
「人手不足に対応しながら、法令も守りたい」
そんな中小企業・小規模事業者にとって、令和7年度の新制度は追い風になります。
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賃上げに取り組む企業には最大360万円の助成金
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非正規・スポットワークにも適切な対応が必要
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自社に合った助成金を選ぶためには、制度の正しい理解がカギ
まずは、自社が対象となる助成金があるか確認してみませんか?
必要であれば、申請や制度設計のお手伝いも可能ですので、いつでもご相談ください。