社長の困った!相談コーナー


 社会保険・労働保険関係手続

社長と従業員の社会保険・労働保険手続き相談コーナー

1. 入退職に伴う手続きの不明瞭さ

社長: 「入退職時に必要な手続きが多くて、どこから手をつければいいか分からないんだ。特に社会保険の資格取得・喪失届や離職票の提出が面倒で困っているよ。」

 

従業員: 「私も、手続きの流れがよく分からず、何度もやり直してしまうことがあります。どこから始めればいいのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「入退職の手続きは多岐にわたりますが、まずは必要な書類をリストアップし、手続きのフローを作成することが大切です。資格取得届は入社後5日以内に、資格喪失届は退職後5日以内に提出が必要です。また、離職票の発行には離職理由の確認が必要ですので、事前に従業員と面談を行いましょう。手続きの流れを明確にし、書類の準備を計画的に行うことで、スムーズな対応が可能になります。」


2. 手続きの際の添付書類の不足

社長: 「手続きのたびに、必要な添付書類が足りないと言われて、窓口で何度も書類を返されてしまうんだ。どうすれば不足なく提出できるのかな?」

 

従業員: 「確かに、源泉徴収票や住民票など、必要な書類が多くて忘れてしまうことがあります。どんな対策を取ればいいのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「手続きに必要な添付書類をリスト化し、事前にチェックリストを作成することが効果的です。例えば、資格取得届の場合は住民票や健康保険被保険者証のコピー、資格喪失届には被保険者証の返却が必要です。提出前にすべての必要書類を揃え、チェックリストを用いて再確認することで、書類不足を防ぐことができます。また、提出期限も含めて、事前にしっかりと確認しましょう。」


3. 総合調査への対応不足

社長: 「社会保険料の計算や加入状況について総合調査があると聞くと、毎回不安になるんだ。どうやって準備すればいいんだろう?」

 

従業員: 「調査の前に何を準備すれば良いのか分からないので、いつも慌ててしまいます。何を確認しておくべきでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「総合調査に備えるためには、賃金台帳や就業規則、従業員名簿、勤怠管理記録などを整理し、適正に保管しておくことが重要です。また、保険料の計算基準や加入状況が法律に準拠しているかを確認しましょう。調査前には、専門家による模擬監査を受けることで、不備を早期に発見し、修正することができます。定期的に内部チェックを行い、日頃から対応準備を進めておくことが大切です。」


4. 労災書類の複雑さ

社長: 「労災事故が発生したとき、報告書や給付申請の書類が多すぎて、どれをどう書けばいいのか全く分からないよ。」

 

従業員: 「私も労災の書類は難しくて、記入ミスや漏れがないか心配です。どうやって書けばいいのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「労災事故が発生した際は、まず労災事故報告書を提出し、その後労災給付の申請書類を作成します。事故の詳細や従業員の治療内容、就労状況などを正確に記入し、必要な添付書類を揃えましょう。書類の記入に不安がある場合は、社労士に相談し、必要な項目を確認しながら作成することをお勧めします。また、申請には期限がありますので、速やかに対応することが重要です。」


5. 退職後の社会保険関連手続きの不十分な説明

社長: 「退職者に対して、社会保険の手続きやその後の対応をどう説明すればいいのか分からなくて困っているんだ。どんなふうに説明すればいいんだろう?」

 

従業員: 「退職後の手続きは、退職者にとっても重要なことですし、きちんと説明してあげたいですよね。何を伝えれば良いのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「退職後の社会保険関連手続きについては、退職者にとって分かりやすく説明することが大切です。例えば、健康保険の任意継続や国民健康保険への加入、年金の切り替えなど、退職後に必要な手続きとその選択肢を具体的に伝えましょう。また、手続きの期限や必要な書類についても、わかりやすい資料を作成して説明することで、退職者がスムーズに手続きを行えるようにサポートすることが重要です。」


6. 試用期間中の社会保険加入に関する誤解

社長: 「試用期間中の従業員は社会保険に加入しなくてもいいと思っていたんだけど、それで大丈夫かな?」

 

従業員: 「私も試用期間中は加入しなくても良いと思っていましたが、実際はどうなんでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「試用期間中でも、労働条件(例えば、所定労働時間や雇用期間)が一定の基準を満たしていれば、社会保険に加入する義務があります。加入基準を満たしている場合は、入社時点で手続きを行う必要があるため、試用期間だからといって加入を遅らせることはできません。正しい知識を持ち、適切な手続きを行いましょう。」


7. 年金受給開始年齢に関する誤解

社長: 「年金は65歳から受け取るのが普通だと思っていたけど、他の選択肢もあるのかな?」

 

従業員: 「私も65歳からが基本だと思っていましたが、他にどんな選択肢があるんでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「年金の受給開始は、60歳から75歳までの間で選択できます。繰り上げ受給(60歳~64歳)を選ぶと、毎月の年金額が減少しますが、早くから受け取れます。繰り下げ受給(66歳~75歳)を選ぶと、年金額は増額されます。ご自身の経済状況やライフプランに応じて、最適な受給開始時期を選ぶことが重要です。シミュレーションを行い、専門家のアドバイスを受けると良いでしょう。」


8. 労災隠しの違法性

社長: 「軽いケガだから労災にしないで健康保険で対応しようと思ってるんだけど、それでも大丈夫かな?」

 

従業員: 「労災の手続きが大変だから、健康保険で処理してもいいのか気になります。」

 

社労士のアドバイス: 「労災事故を健康保険で処理することは、法律で厳しく禁止されており、重大なリスクを伴います。労災保険は、労働者が仕事中や通勤途中に受けたケガや病気を補償するための制度で、業務中に発生した事故は必ず労災として申請する必要があります。これを健康保険で処理すると、労働基準監督署からの指導や罰則の対象となるだけでなく、会社の信用を失うことにもなります。さらに、従業員も不正な保険請求を行うことになり、将来の労災給付や保険料にも悪影響を与える可能性があります。軽微なケガであっても、必ず労災として申請し、正しい手続きを行いましょう。手続きが複雑で分からない場合は、ぜひ社労士にご相談ください。適切な対応をサポートいたします。」


社労士実務の一般的なもの(例)

 

1.新規適用届、労働保険関係成立届などの提出

  • 新たに事業を開始した際に社会保険・労働保険の適用申請を行います。

2.社会保険の算定基礎届、労働保険の年度更新

  • 毎年または必要に応じて保険料の算定基礎を申告し、更新します。

3.年金相談

  • 従業員や退職者からの年金に関する相談に応じます。

4.高年齢雇用継続給付金、育児・介護休業給付金の申請

  • 高齢者の雇用を継続するための支援や、育児・介護休業中の給付金申請を支援します。

5.社会保険加入状況の調査・確認

  • 企業の社会保険加入状況を調査し、適正化を図ります。

6.療養費・休業補償金の申請

  • 労災事故による療養費や休業補償金の申請をサポートします。

7.退職した従業員の直接対応

  • 退職した従業員からの質問や苦情を直接受け、適切に対応します。

8.審査請求、再審査請求の代行

  • 不服がある場合に審査請求や再審査請求を代行します。

9.提出代行、電子申請への対応

  • 書類の提出や電子申請の代行を行い、効率的な手続きを支援します。

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