社長の困った!相談コーナー

 労働基準法・安全衛生法関係手続

社長と従業員の労働基準法関係・安全衛生管理相談コーナー

1. 従業員関係書類の整備ができていない

社長: 「従業員の勤務情報や賃金情報の管理ができていないんだ。従業員名簿や賃金台帳の整備が必要なのは分かってるけど、どこから手をつければいいか分からないよ。」

 

従業員: 「私も、賃金台帳や出勤簿をどのように整備すればいいのか、具体的な方法が知りたいです。何から始めれば良いのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「従業員名簿、出勤簿、賃金台帳の整備は、労働基準法で義務付けられている重要な業務です。まず、従業員名簿には、氏名、住所、雇用形態など基本情報を正確に記入し、更新することが必要です。出勤簿は、毎日の出勤状況を記録し、賃金台帳には給与、残業時間、控除内容を詳細に記録します。これらの書類を正確に管理することで、労働基準監督署の調査に備え、労働条件のトラブルを未然に防ぐことができます。整備が難しい場合は、社労士に相談し、適切な方法をアドバイスしてもらいましょう。」


2. 従業員からの質問に対応できない

社長: 「従業員からの質問に、すぐに答えられないことが多くて困ってるんだ。労働時間や有給休暇の取り扱いについても、何をどう説明すれば良いのか分からないよ。」

 

従業員: 「私たちも、法令に基づいた正しい回答を知りたいです。どうすれば会社として正確に答えられるようになりますか?」

 

社労士のアドバイス: 「従業員からの質問には、正確で信頼できる情報を基に回答することが求められます。即答することよりも、正しい情報を提供することが重要です。分からない場合は、すぐに回答せず、必要な情報を調査してから回答しましょう。また、社内でよくある質問をまとめたFAQを作成し、基本的な労働条件や就業規則の内容を従業員に周知することも効果的です。社労士は労働法や社内規程に関する知識を提供できますので、定期的な相談を通じて社内の理解を深めることをお勧めします。」


3. 労働基準監督署からの是正勧告への対応がわからない

社長: 「労働基準監督署から是正勧告を受けたんだけど、何をどう対応すればいいのか全く分からないんだ。期限も迫ってるし、焦ってるよ。」

 

従業員: 「是正勧告は初めてのことなので、どこから手をつければいいのか分からないです。具体的な対応方法を教えてください。」

 

社労士のアドバイス: 「労働基準監督署の是正勧告は、法令違反を是正するための重要な指示です。まず、是正勧告書に記載されている内容をよく読み、どの項目が法令違反に該当するかを確認しましょう。その後、是正措置を講じ、必要な書類や改善報告書を作成します。具体的な改善方法が分からない場合は、社労士に相談し、是正措置の内容や書類作成のアドバイスを受けましょう。期限内に対応することが求められますので、早めに行動することが重要です。」


4. 従業員の規律を改めて正したい

社長: 「最近、従業員の規律が緩んでいるように感じるんだ。社内ルールを再確認して、規律を正したいんだけど、どうすればいいかな?」

 

従業員: 「私たちも、ルールが曖昧だとどう行動すべきか迷うことがあります。明確な説明をしてもらえると助かります。」

 

社労士のアドバイス: 「従業員の規律を正すためには、まず就業規則や社内ルールを再確認し、全従業員に周知徹底することが必要です。従業員説明会を実施し、勤務条件や職場のルールを明確に伝えることで、従業員の理解を深めましょう。さらに、規律違反が発生した場合の対応方法や懲戒処分の基準を具体的に示すことも大切です。社内の規律を保つためには、定期的なルールの見直しと従業員とのコミュニケーションが不可欠です。社労士は、就業規則の整備や従業員教育の支援を行いますので、必要に応じて相談してください。」


5. 安全に働いてもらえるために何をすればよいか

社長: 「従業員が安全に働けるようにしたいんだけど、具体的にどんな対策を講じればいいか分からなくて困ってるよ。」

 

従業員: 「私たちも、安全に関する教育を受けたいですし、どんな対策が必要なのか知りたいです。具体的な安全対策を教えてください。」

 

社労士のアドバイス: 「従業員の安全を確保するためには、まず職場ごとのリスクアセスメントを行い、危険箇所や作業に潜むリスクを把握することが必要です。その上で、必要な保護具を提供し、定期的な安全衛生教育を実施しましょう。また、労働災害防止のためのマニュアルを作成し、従業員に周知徹底することも重要です。作業環境の改善や定期的な安全点検を行い、危険箇所の改善策を講じることで、労働災害のリスクを低減できます。社労士は安全衛生管理の指導や教育支援も行いますので、必要に応じて相談してください。」

6. 業務上災害が発生した

社長: 「業務中に従業員がケガをしてしまったんだ。どう対応すれば良いのか分からなくて不安だよ。労災の手続きも複雑そうだし…。」

 

従業員: 「ケガをしたときにどんな手続きをするべきか、事前に知っておきたいです。労災の対応について教えてください。」

 

社労士のアドバイス: 「業務上災害が発生した場合は、まず労働基準監督署に労災事故報告書を提出し、その後、従業員の治療に必要な手続きや、労災給付の申請を行います。事故の詳細を記録し、原因を徹底的に分析して再発防止策を講じましょう。また、労災給付の申請には、従業員の治療内容や事故の状況を正確に記載し、必要な添付書類を揃えて提出することが求められます。手続きが不安な場合は、社労士に相談し、正しい手続き方法を確認しながら進めると安心です。」


7. 即答の必要性

社長: 「従業員から質問されたとき、できるだけ早く答えたいんだけど、間違ったことを伝えてしまうのも心配だ。どう対応すればいいかな?」

 

従業員: 「確かに、すぐに答えが欲しいときもありますが、間違った情報を伝えられると、逆に混乱してしまいますね。どうするのがいいのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「すぐに答えることも大切ですが、正確な情報を伝えることがもっと重要です。質問を受けた際に、答えに自信がない場合は、無理に即答せず、調査してから回答する旨を伝えましょう。その場で確認できない場合は、後で調べてから正確な情報を提供することが信頼を築くポイントです。社内でよくある質問や問題については、事前にマニュアルやFAQを作成しておくと、迅速かつ正確な対応がしやすくなります。必要に応じて、社労士に確認し、正しい情報を提供することを心掛けてください。」


8. 残業代の問題

社長: 「残業代の計算が複雑で、残業単価を間違えて支払ったことがあったんだ。法的な責任も考えると心配で、どうすればミスなく計算できるかな?」

 

従業員: 「私たちも正しい残業代をもらいたいですが、計算ミスで混乱したことがあります。どうしたら正しく支払えるのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「残業代は基本給や時間外労働の割増率を正確に計算する必要があります。法定労働時間を超える労働や深夜・休日労働に対しては、それぞれの割増率に基づいて正確に支払わなければなりません。計算ミスを防ぐために、給与計算ソフトの活用や、事前に労働時間管理を徹底することが大切です。疑問点があれば、社労士に相談し、法令に沿った計算方法を確認しながら行いましょう。」


9. 有給休暇の権利

社長: 「パートタイムの従業員から有給休暇の申請があったんだけど、正社員と同じように扱うべきなのか悩んでいる。どうすれば良いんだろう?」

 

従業員: 「パートタイムでも有給休暇を取得できると聞いたことがありますが、どうやって計算するんでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「パートタイム労働者にも有給休暇の権利があります。付与される日数は、週の労働日数や年間の所定労働日数に応じて計算されます。たとえば、週に3日働く従業員の場合、正社員の有給休暇日数に比例して有給日数が付与されます。公平で適切な職場環境を維持するためにも、パートタイム労働者の有給休暇について、労働基準法に基づき適切に対応しましょう。詳しい計算方法については、社労士に相談し、労働条件に応じた計算方法を確認してください。」


10. 協定書の重要性

社長: 「時間外労働や休日労働の協定書(36協定)を毎年更新しなきゃいけないと聞いたんだけど、どれくらい重要なのかな?忘れてしまった場合はどうなるんだろう?」

 

従業員: 「36協定を提出しなかったら、残業や休日出勤が違法になると聞きましたが、本当ですか?」

 

社労士のアドバイス: 「36協定は、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働を行うために、労働基準監督署に届け出る必要がある書類です。協定が未提出の場合、時間外労働や休日労働は違法となり、会社に罰則が科される可能性があります。協定書は1年ごとに更新し、労働組合や労働者の過半数代表と締結しなければなりません。協定書の作成や更新が不安な場合は、社労士に相談し、適切な手続きを行いましょう。」


11. 法的責任

社長: 「労働基準法を守らないと、どんな法的責任を負うことになるのか心配だ。もし違反してしまったら、どうなるんだろう?」

 

従業員: 「私たちも、会社が法令を守っているか気になります。違反した場合、どのような影響があるのでしょうか?」

 

社労士のアドバイス: 「労働基準法に違反した場合、企業やその代表者には刑事罰が科される可能性があります。たとえば、賃金未払いや違法な時間外労働、休憩時間の未確保などが発覚した場合、罰金や懲役が科されることがあります。さらに、違反行為が従業員に与える影響は大きく、企業の信用も大きく損なわれるでしょう。法令遵守は企業の基本であり、安全で健全な職場環境を維持するためには、法的義務を確実に果たすことが求められます。社労士は、法令遵守に関するアドバイスや指導を行いますので、定期的に相談し、適切な対応を行いましょう。」


社労士実務の一般的なもの(例)

 

1.従業員名簿、出勤簿、賃金台帳の整備

  • これらの文書は、従業員の勤務状況や賃金の詳細を正確に記録し、保管するために必要です。従業員名簿には個人の基本情報、出勤簿には日々の出退勤記録、賃金台帳には給与の詳細が含まれます。これらは労働基準監督署の検査時に提出が求められることがあり、適切な労働管理の証拠となります。

2.従業員説明会による勤務条件の再確認

  • 従業員に対して勤務条件を明確に伝えることは、誤解を防ぎ、労働紛争を避けるために重要です。説明会では、労働時間、休日、賃金の計算方法、職種、社内規則などを詳しく説明し、従業員の理解を深めます。

3.労働協定書の提出

  • 労働協定書は、時間外労働や休日労働、変形労働時間制、事業場外労働、裁量労働などの特殊な労働形態に関する合意書です。これらの協定は労働基準監督署に提出し、承認を受けることが法律で義務付けられています。

4.労働災害の防止と安全衛生教育

  • 労働災害を防ぐために、安全な職場環境の確保と従業員への安全衛生教育が不可欠です。定期的な安全教育と災害発生時の対応プロトコルの確立は、労働者の健康と安全を守るために重要です。

5.労働者私傷病報告の作成

  •  業務上または通勤途中に発生した労働災害に関する詳細を記録し、必要に応じて労働基準監督署や社会保険事務所に報告します。この報告は、労災補償の適用を受けるための重要な手続きの一部です。


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